アスベスト計測ルールと検出・判定例

  アスベストの計測に際して、 その数え方のルールが『アスベストモニタリングマニュアル』(環境省)に記されています。アスベスト計測のルールと、 蛍光顕微鏡法での観察例を以下に掲載いたします。計測の際にご参考下さい。



基本ルール


1視野の計測範囲を直径300μmの円内とし、長さ5μm以上、幅(直径)3μm未満で、かつ長さと幅の比(アスペクト比)が3:1以上の 繊維状物質を計数の対象とします。

1本
長さ、幅、アスペクト比の基準を満たす
0本
幅が太すぎる
1本
幅は平均となる場所をはかる
0本
アスペクト比が3未満
1本
全体が計数範囲内
1本
両端が計数範囲内
1/2本
片方の端だけ計数範囲内
0本
両端が計数範囲外



0本
0本
幅が3μmを越えた太い繊維束。(右下黄色バー:20×3μm) 幅が3μmを越えた太い繊維。(右下黄色バー:20×3μm)


1/2本
0本
片端だけ計測範囲内にある繊維。(青線は計測範囲境界線) アスペクト比が3未満の繊維。




交差した繊維の例


数本の繊維が交差している場合は、交差しているそれぞれの繊維を1本と数えます。 また繊維がからまって正確な数を読み取ることができない場合はその繊維は数えません。

2本

0本
複雑にからまった繊維
3本
それぞれの繊維を数える
0本
太すぎる繊維、両端が計数範囲外の繊維



2本
2本




分岐した繊維の例


1本の繊維から枝分かれしている繊維は全体で1本と数えます。

1本

枝分かれ
1/2本

枝分かれした片方だけ計数範囲内


2本
1本
分岐が見られる左側繊維は全体で1本と数える。




粒子の付着した繊維の例


粒子が付着した繊維は、粒子を無視して計数します。繊維の長さについては繊維が見える部分の長さを求め 、粒子に隠れて見えない部分の長さは求めません。但し、繊維の両端が粒子に隠れず、1本につながって見える場合は、 粒子に隠れている部分も含めて長さを求めます。

2本

1本
1本
0本


2本
1本
粒子が自家蛍光を持つ場合、または試薬の非特異的な吸着がある場合、 粒子にも蛍光が観察されます。強い蛍光を持つ粒子が付着した例(左繊維)と、アスベスト繊維の背景に蛍光粒子がある例(右繊維)。





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