位相差/蛍光顕微鏡法
従来のアスベスト検査法は、位相差顕微鏡で繊維を検出した場合、
電子顕微鏡に移してX線分析でアスベストか否かを判定して計測します。これには非常に時間とコストがかかります。
位相差/蛍光顕微鏡法では、位相差顕微鏡で繊維を検出した場合、蛍光モードに切り換えてアスベストか否かを直ちに判定します。
電子顕微鏡を使わず、同一顕微鏡(位相差蛍光顕微鏡)で検出と判定を行うため、迅速性と簡便性に優れています。解体現場等における
漏洩監視方法として『アスベストモニタリングマニュアル第4.1版』(環境省)に採用されました。(位相差/偏光顕微鏡法との比較)。
アスベスト蛍光染色試薬“アスベスターAIR”を使用して、捕集を行ったフィルターを
染色処理します。操作は点眼ビンに入った試薬を滴下するだけです(右図)。 その後、乾燥させアセトンで 透明化して観察試料とします。 |
位相差/偏光顕微鏡法は電子顕微鏡の代わりにアスベストの光学的性質を利用して、
判定する迅速法です。ただし、偏光モードに切り換える操作は複雑で、しかもステージを回転させて判定するなどの操作を
繰り返さなければなりません。
位相差/蛍光顕微鏡法 | 位相差/偏光顕微鏡法 | |
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測定手順 | 位相差顕微鏡で繊維を検出し、蛍光モードに切り換えて、1本ずつ繊維の分析を行う。 | 位相差顕微鏡で繊維を検出し、偏光モードに切り換えて、1本ずつ繊維の分析を行う。 |
選択原理 | 蛍光結合特異性(表面組成) | 複屈折、消光角などの光学的性質 |
切り換え操作 | 容易(単色) | 複雑 |
判定方法 | 蛍光の有無を確認 | ステージを回転させて、消光角や色を判定する |
識別性 | 自家蛍光を持つ物質は偽陽性となる。(ただし、UV励起を使用することにより判別可能な場合もある。) | 光学的性質がアスベストと同様である鉱物、合成繊維、有機繊維などとは見分けられない。 |
感度 | 良好 | 細い繊維では色の違いを見分けるのが難しい |
位相差/蛍光顕微鏡法について説明会を予定しております(9月12日、東京。詳しくはこちら)。参加ご希望の方は、Faxまたはメールフォームよりお申し込みください。