Q1. Si-tag proteinA取扱説明書はシリカ粒子に固定化するものでしたが、
シリコン酸化膜基板に固定化する際はどうすれば良いでしょうか?
基板の前処理は必要でしょうか?
A1. 基本的にシリカと同じです。基盤の前処理は特に必要ありません(むしろ酸化膜が取れる様な処理はない方が良いです)。もし結合が不十分な場合、
プラズマ処理等により、酸化膜をしっかり形成する方がより結合すると思います。撹拌で壊れることはありませんが、撹拌自体も必要ありません。
参考論文:Analytical Biochemistry 385 (2009) 132–137
Q2. 固定量を増やすためには、どのような条件で固定化するのが良いのでしょうか?攪拌時間を長くしたり、
Si-tag proteinAの濃度を濃くすれば効果があるでしょうか?
A2. Si-tag proteinAの濃度を濃くすれば、固定量は少し増えると考えています。時間を長くしてもそれほど変わらない様です。
むしろ、プラズマ処理等により、酸化膜をしっかり形成する方がより結合すると思います。
Q3. mouse-IgG、rabbit-IgG、Goat-IgGに対する結合性はありますでしょうか?
A3. ProteinAの結合特異性は、公表されています
(例えば、
岩井化学薬品様ホームページ)。
mouse-IgGの場合、IgG1に対しては若干悪い様ですが、結合します。rabbit-IgGはよく結合します。残念ながらGoat-IgGに対しては結合が悪い様です。
proteinGを使えばGoat-IgGが結合する様です。Si-tag proteinGは受注生産になりますが、提供可能です。
Q4. 未反応のSi-tag proteinAが二次抗体と結合して
バックグラウンドとなっている様です。
シリコン基板上にSi-tag proteinAを滴下して固定化した後に抗体の固定化を行う場合において、未反応のSi-tag proteinAを不活化またはキャッピングする方法がありますか?
A4. 確かに抗体によっては過剰に入れてもproteinAとの結合性が弱く、未反応のものが見られる場合があります。
その場合、Fab抗体(proteinAと結合する領域を除いた抗体)を検査抗体として利用すれば、不活性化は必要ありません。
Si-tag proteinAの不活性化は検討しておりませんが、関係のない第3の抗体を過剰に加えることでキャッピングが行える様です
(できればptroteinAと相性の良いrabbit抗体)。あるいはFab抗体が得られない場合、proteinGの方が結合が良いものがあるので、お問い合わせ下さい。
Q5. 基板上にSi-tag proteinAを固定化した後に一度基板を乾燥させる操作を加えたいのですが、
抗体の固定化は可能でしょうか?
A5. 乾燥させる温度が室温程度であれば可能です。